うみねこのなく頃にEp8の考察です。ネタバレ全開なので、未プレイの方はご注意下さい。 ではずっと下に行きます。 「うみねこのなく頃に Ep8」を遊んだ直後に書いた考察文です。基本的に考察Wiki的な物は見ておらず、土屋の思うままに書き綴った物なので、間違いも多々あるかと思いますが、ご容赦頂ければと。また、あくまで土屋の個人的な考察である事をご理解下さい。 書き上げるに当たり、幾人かの方とした議論がベースになっている事を、感謝の言葉に代えて申し添えておきます。 ■前提 ・Ep1からEp4の連続殺人事件の真相は、既にEp7でウィルが「シャノン+共犯者説」によるミステリーとして解いている。正確な解答を知りたい人は「うみねこのなく頃にEpisode7真相解明読本」が分かりやすいかと。ちなみに土屋は「わたしはだあれ?」の「わたし」が「島に仕掛けられた爆弾」だというのは、読むまで全く気づかなかった。これは迂闊過ぎる。 ・Ep5/Ep6についても、「シャノン=カノン同一人物説(この説自体はEp7でウィルが二人を同席させようとするシーンで証明され、Ep8の作中作シーンでラムダデルタが揶揄している)」によって全てのトリックは説明出来る(と思われる。検証してない)。これにより全ての魔女幻想は打ち破られる。ただし、この物語は「その上で魔法の存在を認める」という2重構造になっている事に気をつけたい。 ・赤き真実は、結局宣言した人にとっての真実に過ぎない(そうでないと、Ep6のラストで、エリカとバトラ達が赤字で宣言し合った合計人数が異なっている事を説明出来ない)。これは、真実は人によって異なるといううみねこの根源的なテーマと重なる。 ・黄金の真実は、二人以上の人間が真実と認めた物(Ep8でエンジェによって説明される)。仮に「これは魔法だ」と二人が認めれば、本当にそれが魔法であるかとは無関係に、それは(その二人にとって)真実となり、黄金の文字で語る事が可能になる。 ・ボトルメッセージは2本(Ep1/Ep2)しか無い為、それ以降の話は全て偽書扱いとなる。八城が書いた物かもしれないし、シャノンが書きためた物かもしれないし、エンジェの想像が作り上げた物かもしれない。いずれにせよ、真実を知る方法はエヴァの日記を見る他無く、その日記は開かれないので、全てのゲームは「真実の可能性」があるに過ぎない。 ■一なる真実は明かされたのか? ・結論から言えば、明かされていない。真実は猫箱に入ったままだ。しかし、それこそが、「うみねこのなく頃に」全8話をかけて描かれた、最も重要なメッセージである。 ・結局八城は日記を開きもしなかった為、日記を読んでエンジェが発狂する(図書の都orビルから飛び降りる)シーンは幻想という事になる。このシーンは「エンジェが『エヴァ犯人説』を否定してまで手に入れようとしている真実は、『エヴァ犯人説』よりもエンジェにとって残酷な物である可能性もある」という指摘になっている。例えば、Ep8作中作のような「バトラ親子犯人説」あるいは、Ep7ラストの「霧絵惨殺説」など。 ・Ep8では、真実における犯人がバトラであるという暗示がそこかしこで行われる。 ・犯人当て作中作でのバトラ親子殺人説 ・作中作で「生存者が犯人」と暗示され、バトラは生き残っている ・十八は自分がバトラであるという事を拒否しようとしていた時期があった。 ・もしバトラ犯人説が真実だとした場合、エヴァが六軒島での出来事をかたくなに喋らなかった理由になる(エンジェに対し、よりつらい真実を伝えたくなかったのだ)。 ・ただし、実際には日記は開かれていない為、真実は分からない。 ・個人的には、十八と愛し合っているのであろう幾子が、その内容(一なる真実)を十八から聞いていながら日記を公開するという事はあり得ないように思う。ただし、結果として日記は公開されていないので「日記を公開するという発表→やっぱりやらない→それに対応するように六軒島フィーバーは鎮火」という流れが幾子の最初からの目論見だったのかもしれない(この説は個人的には推したくない)。 ・赤字による「この物語にハッピーエンドは無い」は、「エンジェにとって、真実はエヴァ犯人説よりも残酷である」という意味とも取れるが、個人的には「エンジェが『実は生きていた』家族と再会出来るというハッピーエンドは無い(再会したのは十八であって、「バトラ」ではない)」という解釈を推したい。 ・また、本当に一なる真実が書かれたエヴァの日記が実在したのかも疑わしい。日記の中身が一なる真実なのを赤字で示したのは幻想のベルンカステルだし、現実では八城が本物だと断言しているにすぎない。八城が六軒島フィーバーを終息させる為に偽の日記を使って一芝居打っただけなのかもしれない。 ■どのエピソードが、本当の未来なのか? ・エンジェは結局ビルから飛び降りなかった為、飛び降りた後について語られている以下の未来の展開は全て幻想という事になる。 A・Ep4での六件島でエンジェが天草に殺されるエンド(Ep8手品エンドによって、天草が最終的にエンジェを殺すつもりである事が説明される) B・Ep6での八城と相対したエピソード C・Ep8での手品エンド(これはAの回避版だが、やはり幻想)←ただし、これが実際に起きた事だと見なす事も出来よう。 ・魔法エンド、および????が、本当の未来なのだと考えられる。個人的には、エンジェが天草と一緒になったのかについては書いて欲しかった気もする。 ■残された(土屋が気にしている)いくつかの謎について。 ・バトラは霧絵の息子だった。「バトラは明日夢の息子である」「バトラは明日夢から生まれていない」「バトラは金蔵の孫である」の矛盾の無い答えの一つである(土屋はベアト-バトラ双子説を押していたのでこれはちょっと悔しい)。 ・ここまでくると、実は「謎の碑文」が本当に実在したのかどうかさえ、不確定になってしまう(その存在を示すのはシャノンが書いたボトルメッセージの中にしか無い)。シャノンはその出生の秘密を知っていた源次によって金蔵に孫として認められ、黄金を引き継いだだけ、という可能性もある。繰り返すが、エンジェが5歳よりも前の事を覚えておらず、6歳の時に六軒島に来ていない以上、猫箱の中身、すなわち可能性は無限にあるのだ。 ■この先、なにが待っているのか? ・この項が、土屋が元々一番書きたかった所。 ・竜騎士07さんは、「作品の完結後、皆さんがどのような二次創作ミステリーを書くかに興味がある」という趣旨の発言をたびたびしている。土屋は「唯一の真実が明かされてた後に、どうやってそんな余地を残すつもりなのか」と考えていたが、その答えは「猫箱を閉じ、それを守る」というエンディングによってだった。これは拍手を送るしかない。 ・この先は、我々が、猫箱の続き、あるいは、猫箱の外の続きを、紡いでいく事になるのではないか。例えば、SSとしてネットに上げたり、同人誌、同人ソフトで発表するなどして。惨劇の物語だろうと、幻想の物語だろうと、幸福な物語だろうと、我々には書き放題である。なぜなら、猫箱は物語の登場人物達が、己の命を賭して、その中身を守ったのだから。 |